行政書士山野伊紀事務所

その相続対策は二次相続までも含めたものになっていますか?

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その相続対策は二次相続までも含めたものになっていますか?

その相続対策は二次相続までも含めたものになっていますか?

2023/10/21

二次相続とは、例えば両親と子という家族の場合、最初に父親が亡くなって母親と子が遺産を相続したとします。これが一次相続です。次に母親が亡くなり、子がその遺産を相続するのが二次相続です

つまり、二次相続では親世代の財産が全て子の世代に引き継がれることになります。そして、ここがポイントですが、一次相続の際に相続税額が最小になるように遺産を分配しても、二次相続も合わせて考えたときに、かえって税負担額が多くなってしまうことがあります。

なぜそんなことが起きるのか、二次相続の際に後悔しないようにするための対策には何があるのか、以下で詳しく解説していきます。

 

二次相続を含めた相続対策にご興味をお持ちになられた方は「行政書士山野伊紀事務所」までお問い合わせください。

 

相続対策は二次相続のことも考えた計画が必要です。

▷相続対策は目先の一次相続のことだけを考えていると不利になります

一次相続対策のみだと一次相続と二次相続を合わせた税負担総額がかえって多くなる理由は以下の3つが考えられます。

 

➀二次相続では「配偶者に対する税額軽減」が使えません。

相続税法では、配偶者に対して優遇措置が設けられており、配偶者の相続分が法定相続割合(または1億6千万のいずれか大きい額)以下の場合には、配偶者には相続税はかかりません。しかし、この優遇措置は配偶者が相続人になる一次相続に限られますので、当然適用されません。

 

②二次相続では、一次相続よりも相続人数が減るため、基礎控除額や生命保険金・死亡退職金の非課税枠もス少なくなります。

相続財産の基礎控除額は、3,000万円+600万円X法定相続人数で計算された額になりますが、二次相続ではこの法定相続人数が一次相続よりも減っていますので、基礎控除額は少なくなります。

 

➂二次相続では、一次相続よりも相続人数が減るため、相続人1人当たりの相続額が多くなり、相続税額も多くなります。

相続税のしくみは、法定相続人がその法定相続割合に応じて財産を取得したものとみなし、その各人の取得額に対して累進税率を適用して相続税の総額を算定することになっています。

つまり、二次相続で相続人数が減少すれば、各人の法定相続割合に相当する財産の額は増加し、累進税率が適用されることで、金額が多いほど税率が高くなり、税負担額が増えます。

 

この3点の理由で、二次相続の際の税負担額が多くなることで、一次相続と二次相続を合わせた合計額でも負担額が多くなることが起きます。

 

そこで、一次相続と二次相続を見据えた相続対策のシミュレーションを行い、どういう財産分配をしたらいいのか計画を立てる必要があります。

シミュレーションにより、一次相続での分配と二次相続の分配で一番税負担額の少なくなるパターンが見つけらます。当事務所でもご相談をお受けしております。ご相談ください。

 

配偶者よりも子が相続する方が有利な財産があります。

ここまでは、財産の分配方法を、金額面だけに着目してきましたが、相続財産の種類によってはそれとは別の側面がり、注意しなければならないものがあります。

 

➀小規模宅地の特例を適用する土地は子が相続する方が有利

同居している子がいれば、配偶者ではなく子に住居を相続させれば、小規模宅地等の特例が適用できますので、大きな節税につながります。

なお、小規模宅地等の特例とは、被相続人が居住していた土地を相続したときの相続税評価額を減額する制度で、330㎡までの部分の相続評価額を80%減額することができます。

しかし、この特例を子が利用するには、両親と同居している必要があり、同居していない場合には利用できません。そのため、利用するためには、早めに同居するか二世帯住宅にする場度の工夫が必要となります。

 

②値上がりが見込まれる財産は子に相続させる方が有利

もしも財産のなかに、将来の値上がりが見込まれる財産、例えば開発が行われることがあらかじめわかっている土地や、業績拡大が続いている会社の株式などがあれば、そのような財産は一次相続の際に子に相続させるようにしましょう。評価額が上がる見込みのものは評価額の低いうちに相続しておくことで節税につながります。

 

遺産分割以外での相続対策

二次相続まで含めた相続対策という面では、この世代に早めに財産を移しておくことが有効な対策になることが多いと考えられます。これは、必ずしも二次相続対策には限りませんが、相続税の節税対策として総合的に用いた方が良いと考えられます。

 

生前贈与は早期に計画的にすすめる

生きているうちにこの世代に財産を移す生前贈与を行って相続財産を減らす方法で節税を行うことができます。年間110万円の生前贈与は贈与税も控除され、相続財産を減らすことができます。ただし、生前贈与は亡くなる直近の何年間かは相続財産としてカウントされます。この期間が税制改正で3年から7年に変更されるため、2500万円まで贈与税が控除され、贈与の回数は何回でもよく毎年110万円まで贈与税が控除されという相続時精算課税制度を利用します。

 

生命保険を活用した節税と納税資金対策

生命保険金は税法上相続財産とみなされて、相続税の課税対象となりますが、一定の非課税枠が設けられており、相続人が取得した保険金のうち500万円X法定相続人数までの額には相続税がかかりません。子の非課税枠を活用して、生命保険(いろいろな商品があります)に加入しておくことで相続税のかかる財産額を減らすことができます。

生命保険金は受取人の特定財産となりますので、遺産分割の対象ではありませんので、早期に現金が入りますので相続税の納税資金とすることができます。

 

相続税対策以外に配慮すべきこと

▷遺産相続トラブルを防ぐ対策

一次相続の時には両親うち一方がご存命のため、兄弟間の対立は抑えられますが、二次相続においては遺産をめぐる争いが表面化しやすくなります。

生前から家族でよく話し合って、一次相続と二次相続を通じて相続財産をどのように分けるかのコンセンサスを作っておく必要があります。形成したコンセンサスを遺言書として残しておくのがトラブルを未然に防ぐことになると考えます。

 

配偶者の住居と生活費についても配慮を

相続税対策として小規模宅地等の特例の利用をあげました。遺された配偶者の住居を保証していく配慮も必要です。配偶者居住権を設定して住居を保証することができます。また、将来にわたり、認知症などのリスクも考えて生活費はもちろんのこと施設に入居しなければならなくなった場合の費用なども残すよう配慮が必要です。

 

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